消化器内科

胃のポリープや大腸ポリープ、食道・肝臓・胆のうなど、消化器系の診療にあたっています。患者様の身体に負担の少ない検査や治療をおこなっております。

また、当クリニックを受診され、さらに専門科目による精査が必要な場合は、疾患にあわせて適切な医療機関へご紹介させて頂きます。どこの科を受診していいか分からないようなときも気軽にご相談ください。

ある方こんな症状が

    • 咳が出る
    • 熱が下がらない
    • 吐き気がある
    • 胃もたれ
    • 胃が痛い
    • 食欲不振
    • 長引く倦怠感
    • 急な体重減少

胃がん

  • 主な症状

    早期胃がんでは特有の症状はなく、内視鏡検査や胃がん検診などで偶然発見されることが多いです。進行すると、体重減少、食欲不振、嘔吐、タール便(黒色便)、心窩部痛(みぞおち付近の痛み)などの症状がみられます。胃がんの多くは、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染によるものであるとされていますが、除菌後にもがんが発生することがあります。

  • 治療の流れ

    1. step
      内視鏡検査(胃カメラ)

      内視鏡検査(胃カメラ)を実施し、生検(細胞を一部採取し、顕微鏡で観察して良性か悪性か診断する検査)をおこなって病理学的な確定診断を得ます。

    2. step
      診断

      胃がんと診断された場合は、入院可能な医療機関にご紹介します。がんの大きさ・部位・転移の有無などを考慮して内視鏡的切除または外科的切除が選択されます。

胃癌

胃癌 説明

  • 主な症状

    早期胃がんでは特有の症状はなく、内視鏡検査や胃がん検診などで偶然発見されることが多いです。進行すると、体重減少、食欲不振、嘔吐、タール便(黒色便)、心窩部痛(みぞおち付近の痛み)などの症状がみられます。胃がんの多くは、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染によるものであるとされていますが、除菌後にもがんが発生することがあります。

  • 主な治療方法

    1. 治療法内視鏡検査

      内視鏡検査(胃カメラ)を実施し、生検(細胞を一部採取し、顕微鏡で観察して良性か悪性か診断する検査)をおこなって病理学的な確定診断を得ます。胃がんと診断された場合は、入院可能な医療機関にご紹介します。がんの大きさ・部位・転移の有無などを考慮して内視鏡的切除または外科的切除が選択されます。

胃食道逆流症、逆流性食道炎

  • 主な症状

    胃の中の酸性内容物が食道や口腔内に逆流する病態を、胃食道逆流症といいます。胃食道逆流症は、胸焼けや呑酸(のどや口の中が酸っぱいと感じる、酸っぱいげっぷが出る)などの症状があり、内視鏡検査で食道粘膜にびらん(粘膜の欠損)や潰瘍などがみられる逆流性食道炎と、症状があるにもかかわらず内視鏡検査で食道粘膜に病変がみられない非びらん性胃食道逆流症とに区別されます。

  • 治療の流れ

    1. step
      生活指導

      まずは、禁煙・禁酒、就寝前の食事を避けるなどの生活指導をおこないます。

    2. step
      内視鏡検査

      内視鏡検査では、食道粘膜の発赤、びらん、潰瘍などの有無を調べます。また、胃酸の分泌を抑えるお薬や消化管の運動機能を改善するお薬などを用います。

食道がん

  • 主な症状

    初期は無症状で自覚しにくいのですが、進行すると、固形物が飲み込みにくい、しみる感じがするなどの嚥下障害、胸部違和感、嗄声(声がかすれる)などが出現します。飲酒や喫煙をする方に好発する傾向があります。

  • 治療の流れ

    1. step
      内視鏡検査

      内視鏡検査をおこなって病変の進行度を調べ(転移の有無は、内視鏡検査ではわからないため)、全身状態を考慮したうえで治療方針を決定します。

    2. step
      内視鏡にて切除

      早期癌の場合は内視鏡にて切除可能なものもあり、それ以外は外科的治療、化学放射線療法などで対処します。

胃炎

胃炎は、ヘリコバクター・ピロリ菌による感染(ピロリ感染症の項参照)で胃粘膜に炎症をきたして発症することが多く、そのほかストレス、飲酒や服薬によるものもあります。

  • 主な症状

    胃に激痛が走る、胃に締め付けられるような痛みがある、むかむかする等の症状が1週間程度続く場合、急性胃炎の可能性があります。
    また、これらの症状が数ヶ月続いて慢性的な炎症が起きると(慢性胃炎)、胃粘膜がすり減った状態(萎縮性胃炎)になります。

  • 主な治療方法

    1. 治療法投薬治療

      胃酸の主成分は、実はpH 2*程度の塩酸です。初めは、制酸薬や胃粘膜保護剤を処方して様子を見ます。これらの薬剤は胃酸を中和し、胃内のpHを上昇させて粘膜を保護する働きをします。

      *水素イオン濃度のこと。酸性になると水素イオン濃度が高く、pHの値が低くなる。0 < pH < 7が酸性の範囲。

    2. 治療法内視鏡検査
      投薬しても症状が改善されない場合は、内視鏡検査(胃カメラ)をご提案しています。

胃ポリープ

  • 主な症状

    症状が無いことが多いですが、幽門部(胃から十二指腸への出口部分)にポリープが出来ると出口が塞がれてしまうため、げっぷや腹部膨満感が現れることがあります。胃ポリープは、胃の粘膜の表面が変化し出っ張ったもので、ピロリ菌感染に由来する過形成性ポリープもあります。

  • 主な治療方法

    1. 治療法内視鏡検査

      内視鏡でポリープの性状を調べます。胃過形成性ポリープは、2㎝以上になるとがんに進行する可能性があるので、ピロリ菌に感染している場合は除菌をおこないます。

    2. 治療法胃底腺ポリープの場合
      胃底腺ポリープの場合は、がんに進行する可能性は極めて低いため、経過観察となります。

胃・十二指腸潰瘍

  • 主な症状

    心窩部痛(みぞおち付近の痛み)、胸焼け、嘔気のほか、吐血や下血、タール便(黒色便)、貧血などの症状がみられることもあります。また、ヘリコバクター・ピロリ感染やNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の内服でも発症することがあります。

  • 治療の流れ

    1. step
      内視鏡検査(胃カメラ)

      内視鏡検査(胃カメラ)をおこないます。胃がんとの鑑別が必要となりますので、同時に生検(細胞を一部採取し、顕微鏡で観察して良性か悪性か診断する検査)をおこないます。

    2. step
      投薬治療

      検査の結果、良性の場合は制酸薬や胃粘膜保護剤を処方します。

    3. step
      再検査を実施

      2ヶ月後に再検査を実施して、潰瘍が治癒しているかどうかの確認をおこないます。

    4. step
      再度生検を実施

      治癒していない場合は、再度生検を実施し、良性ならピロリ菌の除菌(ピロリ菌の項参照)に進みます。1回目または2回目の生検で悪性だった場合は、切除が必要となりますので、入院可能な医療機関にご紹介いたします。

H.pylori(ヘリコバクター・ピロリ)感染症

  • 主な症状

    胃の疾患は、ピロリ菌感染が原因となって発症することが多く、ピロリ菌に感染すると胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどを引き起こします。自覚症状を感じない場合が多いのですが、ピロリ菌感染により胃が炎症を起こして心窩部(みぞおち)の痛みや胃もたれなどの症状が現れることがあります。主な感染経路は経口感染で、生活習慣や衛生環境などが関係するとも言われ、感染率は加齢とともに上昇します。

  • 治療の流れ

    1. step
      内視鏡検査(胃カメラ)

      胃炎の存在を確認するために、内視鏡検査(胃カメラ)をおこないます。粘膜の萎縮を認めた場合は胃炎と診断します。

    2. step
      採血

      同時に、採血により血中のH.pylori抗体を測定して、抗体の有無を確認します。陽性の場合はH.pylori感染胃炎と診断します。ピロリ菌の除菌には、プロトンポンプ阻害薬(PPI)と抗菌薬2種類をセットで服用します。

    3. step
      尿素呼気試験

      除菌後、胃の中にピロリ菌がいなくなったかの確認をおこなうため、服用後2か月ほど期間をあけて、尿素呼気試験をおこないます。これは、呼気中の二酸化炭素を調べる検査です。ピロリ菌が持つウレアーゼという酵素には、胃内の尿素を分解してアンモニアと二酸化炭素を生成する働きがあります。尿素の分解により生じた二酸化炭素が血液を通じて肺に移行し、呼気中に炭酸ガスとして排泄されます。患者さんに検査薬( 13 C-尿素)を服用していただきますと、ピロリ菌に感染している場合は尿素が分解されるため、呼気に13CO2 が検出されることになります。尿素呼気試験で基準値以上の13CO2 が検出された場合には、二次除菌をおこないます。
      ピロリ菌感染が確認された方には、以降1年に1回の内視鏡検査をおすすめしております。

機能性ディスペプシア

  • 主な症状

    検査をおこなっても異常がなく、臓器そのものに炎症や感染がないにもかかわらず、胃もたれや心窩部(みぞおち)痛などの腹部症状が続く疾患のことを機能性ディスペプシアと呼んでいます。ストレスと関連があるとも言われますが、明確な原因は不明です。

  • 治療の流れ

    1. step
      内服薬による治療

      内服薬による治療、生活改善指導をおこないます。ヘリコバクター・ピロリ抗体検査で陽性なら除菌をします。

脂肪肝

  • 主な症状

    肝臓に過剰な脂肪が蓄積した状態を指し、アルコール性と非アルコール性に分類されます。いずれも自覚症状はほとんどありませんが、放置しておくと肝硬変や肝臓がんなどに進行するリスクが高まります。健診などの肝機能検査で発見されることが多く、近年、脂肪肝の症例は急増しています。

  • 治療の流れ

    1. step
      超音波による診断

      当院では、肝臓の硬さを計測する超音波診断装置を導入しております。身体に負担を与えずに、肝硬変かどうかの鑑別をします。

    2. step
      生活習慣の見直し

      アルコール性脂肪肝の治療は、禁酒が大原則です。生活習慣の見直しが必要です。非アルコール性脂肪肝については、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病を基盤としていることが多く、それらの基礎疾患の治療をおこないながら、食事・運動療法などで改善を試みます。

  • 主な治療方法

    1. 治療法生活習慣の見直し

      アルコール性脂肪肝の治療は、禁酒が大原則です。生活習慣の見直しが必要です。

    2. 治療法食事・運動療法
      非アルコール性脂肪肝については、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病を基盤としていることが多く、それらの基礎疾患の治療をおこないながら、食事・運動療法などで改善を試みます。

胆石

胆石とは、胆汁の中で過剰になったコレステロールが結晶化したもので、胆のう、胆管、肝臓にできる結石のことです。無症状の方も多いですが、よくある症状としては、右季肋部(右の肋骨の下あたり)の痛みがあげられます。痛みの場所は個人差があり、右肩や右背部などにも痛みが出ることがあります。胆石があると、血液検査で、肝・胆機能(AST・ALT・γ-GTP・ALP・総ビリルビン)の値が上昇します。

  • 治療の流れ

    1. step
      検査

      エコーやCT検査で病変を確認します。

    2. step
      症状のない場合

      症状のない場合は、経過観察していただくことが多いです。

    3. step
      症状がある場合

      症状がある発作急性期では、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)などを用いて治療します。また、腹腔鏡下胆のう摘出術が必要な場合は、入院可能な医療機関にご紹介します。

胆のう炎

胆石が胆のう内に引っ掛かって胆のう管がふさがると、細菌感染が起きてしまい、腹痛や発熱の症状がみられます。胆のうが炎症を起こして胆汁の流れが悪くなると、黄疸(眼球結膜や皮膚が黄色くなる)の症状をきたすことがあります。腹部診察で、圧痛(押されると痛みを感じる)があったり、血液検査で白血球の増加や炎症反応の上昇、肝・胆機能(AST・ALT・γ-GTP・ALP・総ビリルビン)の上昇を認めた場合、急性胆のう炎の診断となります。

  • 治療の流れ

    1. step
      検査

      エコーやCT検査で病変を確認します。

    2. step
      症状のない場合

      症状のない場合は、経過観察していただくことが多いです。

    3. step
      症状がある場合

      症状がある発作急性期では、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)などを用いて治療します。また、腹腔鏡下胆のう摘出術が必要な場合は、入院可能な医療機関にご紹介します。

  • 主な治療方法

    1. 治療法腹腔鏡下胆のう摘出術

      絶食して抗生剤を投与し、腹腔鏡下胆のう摘出術をおこないます。入院可能な医療機関にご紹介します。

大腸ポリープ

小さなポリープの場合は、自覚症状はありません。健康診断などでおこなう便潜血検査で陽性になられた方には、内視鏡検査(大腸カメラ)を受けることをお勧めしています。大腸ポリープとは、大腸の粘膜の表面が変化し出っ張ったもので、このポリープには、将来大腸がんになる可能性のあるものと、がん化しないものがあります。

  • 主な治療方法

    1. 治療法ポリープが小さい場合

      小さなポリープであれば、検査中に内視鏡を用いて切除することができます(内視鏡的ポリープ切除術)。

    2. 治療法ポリープが大きい場合
      ポリープが大きい場合は、無害な青い色素をポリープに散布して観察し、悪性かどうかを判断します。そして、切除可能な場合はその場で病変を切除します。切除が難しい場合は、その部位の生検(細胞を一部採取し、顕微鏡で観察して良性か悪性か診断する検査)をおこない、病理学的な確定診断を得ます。

大腸がん

大腸の粘膜から生じる悪性腫瘍です。S状結腸や直腸に多い傾向があります。早期がんは無症状のことが多く、進行するにしたがって便秘・下痢・腹痛・血便・便が細くなるなどの症状が出てきます。大腸ポリープの組織生検(細胞を一部採取し、顕微鏡で観察して良性か悪性か診断する検査)をおこなった中で、結果的にがんの診断になるポリープもあります。食生活の欧米化、遺伝的要因、大腸の炎症を起こしている場合(潰瘍性大腸炎の項参照)などは大腸がんの発生に関与すると考えられています。

  • 主な治療方法

    1. 治療法内視鏡による切除

      がんの深さが粘膜下層までのものであれば、内視鏡による切除(内視鏡的ポリープ切除術)をおこないます。

    2. 治療法外科的治療
      粘膜下層より深くまで到達している進行がんの場合は、外科的治療(腸管切除・人工肛門造設など)が選択されます。がんが見つかった場合は、入院可能な医療機関にご紹介します。

過敏性腸症候群

  • 主な症状

    腹痛や腹部不快感、下痢や便秘などの便通異常が続きます。機能性ディスペプシアや胃逆流性食道炎などの疾患と合併することが多いです。ストレスと関連があるとも言われますが、明確な原因は不明です。

  • 主な治療方法

    1. 治療法投薬治療と生活改善指導

      内服薬による治療、生活改善指導などをおこないます。

潰瘍性大腸炎

10代後半から30代前半の若年層に多い疾患です。粘血便(ベタベタした粘液に血が混じった便)を繰り返す、下痢・軟便・腹痛などが主な症状です。この他にも多種類の合併症を伴うことがあります。大腸の粘膜が全体的にただれたり、潰瘍ができたりしている状態で、原因は明らかになっていません。免疫異常、食習慣、ストレスなどの心理的要素も関係していると考えられています。症状が治まったり再び悪化したりを繰り返すことがあります。

  • 治療の流れ

    1. step
      内視鏡検査(大腸カメラ)

      内視鏡検査(大腸カメラ)で、潰瘍性大腸炎に特徴的な所見があるかどうかを調べます。

    2. step
      治療

      病変があれば、経口薬、坐薬、注腸薬などを病変の範囲に応じて選択し、薬物療法を開始します。重症や合併症を伴う場合は外科的治療が必要なため、入院可能な医療機関にご紹介します。